S5V - メインモニター


S5V - メインモニター
S5Vメインモニターは中規模以上のスタジオ・コントロールルーム用に設計された3ウェイモニターです。このサイズのリファレンススピーカーにスタジオのプロが期待するような非常に力強い再生能力を持っており、解像度が高く、周波数レンジの広いサウンドを、完全な精度と明瞭さで再現することができます。

S5Vには、ADAM AudioがSシリーズ用に新しく設計したELE低域ドライバー(Extended Linear Excursion – コーン振幅の可動範囲をリニアに拡張)とSMA(Symmetrical Magnet Assembly – 対称マグネットアッセンブリ)の両方のコンセプトを取り入れた12インチの低域ドライバーが搭載されており、精度、ダイナミックレンジ、そして音の透明さにおいて匹敵するものがないほどの高品質なオーディオ再生を提供します。音楽的に重要な中域の音は、ADAM Audioの新しい4.5インチDCHミッドレンジ(Dome Cone Hybrid – ドーム/コーン型ハイブリッド)によって精密に再現され、今まで以上に厳しい公差基準のもとで製造されたS-ARTツイーター(ADAM Audioが多くの称賛を得た折り畳み式リボン・ツイーターの最新作)による息を飲むほどのリアリティを持った高域再生と組み合わさることで、サウンドフィールドが持つその最も繊細で複雑なディテールまで表現することが可能です。

ツイーターとミッドレンジドライバーにはアルミ削り出しのHPS/MPSウェーブガイド(High-frequency/Mid-range Propagation System)が導入されており、オフアクシスにおける中高域の応答特性も非常に正確です。その結果、広範囲にわたる安定した放射特性が実現し、複数のメンバーが携わるプロジェクトでも、全員が同じスピーカーのスイートスポットで同時に作業することができます。

Sシリーズに搭載されたカスタムデザインのDSPは、最適なクロスオーバー設定によって幅広い周波数レンジにおけるリニアかつフラットな応答特性を実現するだけでなく、ユーザー設定が可能なEQとルームアコースティクスに適応するボイシング/チューニング機能を提供します。過大入力に対する高域リミッター機能、AES3デジタル入力、そして将来的な拡張オプションなどの機能も備えたこのDSPは、備え付けのUSBポートよりソフトウェアのアップデートも可能となっており、スピーカーをコンピュータに接続することでDSP機能の制御をコンピュータ上のソフトウェアから行うこともできます。

低域ドライバーの駆動には700WのD級アンプ、DCHミッドレンジ用には350WのD級アンプ、ツイーター用には250WのD級アンプが搭載され、計3台のアンプがS5Vを駆動します。

ADAM Audio独自のドライバーが誇る伝説的な精度と、強力なパワーを持ったアンプが組み合わさったS5Vは、最も広大なリスニング環境で作業を行うオーディオプロフェッショナルの方々に最適なリファレンスモニターです。

S5V - メインモニター
                                                                                                                           
ウーファー
     
個数:1
バスケット直径:312mm / 12inch
ボイスコイル直径:76mm / 3inch
コーン材質:HexaCone
ミッドレンジ
     
個数:1
タイプ:ドーム/コーン ハイブリッド
バスケット直径:100mm / 4inch
ボイスコイル直径:60mm / 2.4inch
コーン材質:炭素複合材量
ウェーブガイド:MPS
ツイーター
     
個数:1
タイプ:S-ART
ダイアフラム面積:2420mm2 / 4inch2
同等ダイアフラム直径:56mm / 2inch
速度変換比率:4:1
ダイアフラム重量:0.17g
ウェーブガイド:HPS
内蔵アンプ
     
個数:3
ウーファー:1
タイプ:PWM
出力(RMS):700W
ミッドレンジ:1
タイプ:PWM
出力(RMS):300W
ツイーター:1
タイプ:PWM
出力(RMS):100W
コントロール
     
入力感度:調整可
パラメトリックEQ:6バンド
高域シェルビングEQ:1
低域シェルビングEQ:1
プリセットメモリー:5
ディレイ:0ms to 5ms
入力コネクタ
    
アナログ:XLR
入力インピーダンス:48kOhm
最大入力レベル:+24dBu
デジタル:AES3
一般データ
    
パネル:背面
周波数特性:26Hz~50kHz
THD> 100Hz:≦0.3%
最大SPL@1m(ペア):≧128dB
クロスオーバー周波数:250Hz / 3kHz
重量:52.0kg / 114.5lb.
寸法(HxWxD):698 x 390 x 520mm
保証:1年間
付属品:パワーコード、マニュアル
ADAM Audio - The S Series
ADAM Audioの新しいフラッグシップ・シリーズとなるSシリーズは、S2V、S3H、S3V、S5HおよびS5Vの5機種によって構成されています(機種名末尾のアルファベット”H”はHorizontal=横置き型、”V”はVertical=縦置き型を意味しています)。この新しいシリーズは、数年間に及ぶ自社開発によって実現した高度なエンジニアリング・イノベーションと、最先端のCADテクノロジーを駆使することで生まれており、既製品のスピーカー技術とは無縁です。

Sシリーズのために実現されたイノベーションには、新開発のウーファーユニットとミッドレンジドライバー、S-ARTツイーターのウェーブガイド(およびS5のミッドレンジ用ウェーブガイド)、クロスオーバーの最適化・EQカーブの設定・将来的な拡張性を提供する新たなDSPエンジンなどが含まれており、モニターとしての性能に関わるすべての側面が見直されています。

これらすべての技術的努力の結晶として、新しいSシリーズは一段と正確な応答特性とワイドかつ均一な指向性を獲得することに成功し、高域だけでなく低域、中域においても非常に解像度に優れた高品質なサウンドを提供します。これまでの機種と比較しても、新しいSシリーズはより大きな出力をより少ない歪みで再生可能にし、幅広い周波数レンジにおいて正確なモニタリングを実現します。接続性の面でも、従来のアナログ入力に加え最新のデジタル入力に対応しています。
ELE™およびSMA™テクノロジーによる新開発のウーファーユニット
Sシリーズには、ゼロから開発された新しいウーファーユニットが搭載されています。この新しいウーファーユニットの開発では、軽量化と高剛性を実現したハニカム構造のドライバーコーン、高効率かつセルフクーリング機能を持つリニアな磁気回路、振幅ロスの少ないエッジ、リニアなダンパーシステム、クーリングベントを持つシンメトリカルなボイスコイル、そして新形状のフレームなど、新た技術が多く採用されており、すべての面において性能向上のためのリデザインが行われています。

結果、過大な振幅に対しても、ウーファーユニットが分割振動を起こすことなくリニアな動作を保つことが可能となり、また、クーリングベントを設けたことでパワーコンプレッションを最小限に抑えることにも成功しました。さらには、低域再生能力に大きく寄与するバスレフポートの形状も、最適化のために完全にリデザインされています。

これらすべての要素が合わさることによって、より大きなSPLを最小限の歪みで正確に再生することが可能な、非常に優れた低域ドライバーが誕生しました。生の未圧縮音源などを扱うプロフェッショナルの方々にも、耳の聴き疲れを発生させることなく、大きな音で長時間にわたってモニタリングをしていただくことが可能です。
新開発のS-ARTツイーター、カスタムデザインのウェーブガイド
S-ARTツイーターは、ADAM Audioがその名を響かせたART(Accelerated Ribbon Technology)ツイーターの進化形となる最新のツイーターです。従来以上に厳格な公差基準が製造工程に導入されており、アルミ削り出しによるカスタムデザインのウェーブガイドが新たに設けられたことで、指向性および音像定位が改善され、より広範囲なスイートスポットを提供します。S5V/Hの両機種では、ミッドレンジドライバーにもアルミ削り出しによるカスタムデザインのウェーブガイドが設けられています。
画期的なDCH™ミッドレンジドライバー
Sシリーズでは、ミッドレンジドライバーも新開発となっています。新しい100mm(4インチ)のミッドレンジドライバーでは、ドーム型とコーン型の利点を組み合わせたハイブリッドなデザインが採用されており、非常に優れた指向性、低歪み、高能率、そしてフラットな周波数特性を提供します。リニアな磁気回路、振幅ロスの少ないエッジ、リニアなダンパーシステム、そして新形状のフレームなど、新しいウーファーユニットの開発で生まれた様々な技術イノベーションが、このミッドレンジドライバーにも組み込まれています。
ハイパフォーマンスDSPモジュール
新しいSシリーズには、最新世代のSHARCチップをベースに新開発されたハイパワーDSPエンジンが搭載されています。この強力なDSPエンジンは、クロスオーバーの最適なチューニングによってさらに優れた周波数特性/ダイナミックレンジ/解像度を提供し、ルームアコースティクスに適応するためのカスタムEQや将来的な拡張性に対応するデジタル接続などの機能も有しています。
エンクロージャー設計の根本的な見直し
Sシリーズの外観形状は、ADAM Audioが、高度なエンジニアリング技術で知られるドイツで、精密なモニタリングツールを提供する一製造業者であるという背景を色濃く反映したデザインに仕上げられていますが、そのすべては実用的な設計判断の結果を表しています。厚く、重量のあるエンクロージャー材の使用により余計な振動や音の色付けは排除され、不要な音の回折を避けるためにエンクロージャーの角は丸みを帯びた形状となっています。S2およびS3には、天吊りや壁面取付けを可能にするマウンティングポイントが設けられています。
ELE™ 低域ドライバー
SシリーズELE™低域ドライバー(Extended Linear Excursion – コーン振幅の可動範囲をリニアに拡張)は、Sシリーズのエンクロージャーとバスレフ・システムのために特別に設計されたドライバーです。


エンジニアリングスキルと最新のコンピュータモデリング技術の独創的な組み合わせによって誕生したELE低域ドライバーは、軽量化と高剛性を実現したハニカム構造のドライバーコーン、最適化されたリニアなダンパー、そして不要な共鳴と歪みが除去されるよう新開発されたフレームなどが、緻密な設計のもとに組み合わせられ、きわめて分解能が高く正確なオーディオ再生を実現します。結果として、低音域のオーディオ再生において未だかつて達成されたことがないほどの明瞭さと透明性を持ち、あらゆる音圧レベルで高精度な再生を可能とする優れた低域ドライバーが生まれました。

ELE™ドライバーのもう一つの注目すべき特徴は、そのダンパー機構です。両方向に大きなエクスカーションが発生した時にも最適な動作が保たれ、高いSPLが求められるシーンにおいても最小限の歪みで低域を再現することができます。これにより、ELE低域ドライバーでは類似したドライバーで見受けられるような低域エネルギーの抑制を受けることがなく、元の音素材のダイナミクスが完全に再現されます。柔らかく、テンションが弱めのダンパーの場合、高いSPLでスピーカーを駆動した際に制御不能な変位を許してしまうことがあります。対照的に、Sシリーズのダンパーシステムは高い出力レベルでも優れた精度でドライバーコーンの動きを制御し、静止位置に戻します。このダンパーは非常に堅牢にできており、再生周波数帯域において歪みのまったくないサウンドを実現します。

可動域が拡張されたスピーカーエッジも新開発され、競合する他のデザインよりもはるかに優れた弾力性を持つよう慎重に設計されています。これにより、ドライバーコーンの最大振幅が大きく増加し、ダイナミックレンジが改善されると共に歪みの低減にもつながっています。

ドライバーのフレームには、製造時の特別な工程によってアルマイト処理が施されています。材料の黒色の仕上げが熱を吸収し、ドライバーの効果的なクーリングに一役買っています。
DCH™ミッドレンジドライバー
ADAMのエンジニアリング部門がSシリーズのために新しく開発した100mm(4インチ)ミッドレンジドライバーは、コーン型とドーム型の組み合わさったハイブリッドな設計になっています。


非常に堅牢な一体型のドライバーは、ドーム型の特徴であるクリーンなディケイ特性やフラットな周波数特性を、余裕のある振幅というコーン型の利点と組み合わせることで、音楽的に重要なミッドレンジの透明度を明らかに向上させ、歪みのない優れた再生を高出力レベルにおいても実現します。DCHミッドレンジには、Sシリーズのために開発された高品質なダンパーが搭載されており、大きな振幅でも確実に制御することが可能なため、ドライバーの不安定な動きは完全に抑制されています。さらに、DCHミッドレンジは競合する他のミッドレンジドライバーと比べて、約1オクターブ低い周波数帯域(200Hz程度)まで再生することが可能なため、音の色付けのないクリーンで安定した放射特性を実現しています。

DCH™は、特殊なラミネート加工の施された炭素繊維複合材料を使用して製造されており、そのドーム形状は非常に安定しています。ドライバー単体としては高域を8kHzまで再生可能なため(実際のクロスオーバー設定値の1.5オクターブ上の帯域)、高出力レベルであっても不要な振動や変形を引き起こすことはありません。音のディテールを損ない、リスニング疲労の原因にもなるリンギングやレゾナンスはほぼ完全に排除されており、DCHミッドレンジの再生する全周波数帯域において非常にクリーンなサウンドを提供します。

DCHの頑丈な構造により、ミッドレンジドライバーをS-ARTツイーターのより近くに設置することが可能です。ミッドレンジとツイーターが揃ったペアとして機能することで、音楽的に重要なミッドレンジ帯域の放射性が広がり、一貫した特性を持つ正確な再生を可能にします。また、DCHにはリニアな磁気回路、ダンパーシステム、通気口を持つポールピース、放熱性に優れたフレーム、そして65mm(2.5インチ)大型ボイスコイルなど、ELE低域ドライバーにも使われている新技術がミッドレンジ向けにカスタマイズされた形で使われています。ELEとは異なる点もあり、例えばエッジなどはDCHのために特別に調合されたフォーム材で製造されています。ELE低域ドライバーと同様に、DCHミッドレンジは再生音に色付けをすることなく、繊細でダイナミックなディテールを素直に表現することが可能です。
HPS™ウェーブガイド
SシリーズのS-ARTツイーターに導入されたHPS(High-frequency Propagation System)ウェーブガイドはADAMによって設計され、その形状デザインには最新のコンピュータモデリング技術が使用されています。


ソリッドなアルミブロックから削り出されたウェーブガイドによって、水平方向のスピーカー放射特性は広範囲にわたって均一かつ一貫した特性が実現されている一方、垂直方向ではタイトな範囲にフォーカスされるようデザインされています。これにより、ミキシングコンソールなどのスタジオ機器によって引き起こされる水平面の反射が最小限に抑えられ、広いエリアにおいて均質な音像を再現できるため、高出力レベルでも安定した大きなスイートスポットを提供します。
MPS™ウェーブガイド
S5HおよびS5Vには、リスニング距離が大きい場合でも放射特性が広範囲かつ一定に保たれるよう、ミッドレンジにもMPS(Midrange Propagation System)ウェーブガイドが導入されています。


ソリッドなアルミブロックから削り出されたウェーブガイドによって、水平方向のスピーカー放射特性は広範囲にわたって均一かつ一貫した特性が実現されている一方、垂直方向ではタイトな範囲にフォーカスされるようデザインされています。これにより、ミキシングコンソールなどのスタジオ機器によって引き起こされる水平面の反射が最小限に抑えられ、広いエリアにおいて均質な音像を再現できるため、高出力レベルでも安定した大きなスイートスポットを提供します。
高性能DSPモジュール
Sシリーズのために特別に開発された高性能DSPエンジンは、完璧にチューニングされたクロスオーバー設定により最適な周波数特性を実現し、従来のアナログクロスオーバーよりも優れたダイナミックレンジを、解像度の面で妥協することなく提供します。


新開発のDSPエンジンは、多様な室内アコースティクスに適応するための調整機能をSシリーズのすべての機種において提供します。直感的なOLEDディスプレイが搭載されており、全体のレベルコントロール機能、2つのパラメトリック・シェルビング・フィルター機能(低域用と高域用)、そして特定の周波数帯域のブーストまたはカットを可能にするQ幅可変機能付きパラメトリックEQ機能(6バンド)を備えています。

DSPにはプリセットを5個まで保存可能なメモリが用意されています。S3H以外のSシリーズの機種では、編集不可能な2種類のプリセットがADAMによって設定されています。ひとつめは”Pure”という設定で、これが工場出荷時のデフォルトチューニングとなっており、非常に正確な周波数特性を提供します。ふたつめは、”UNR™(Uniform Natural Response)”と呼ばれるADAM独自の設定で、ダイナミックで自然な特性を提供するEQカーブです。残りの3つのメモリはユーザー設定のプリセットとして使用することが可能です。S3Hのみ他の機種と異なり、編集不可能なプリセットとして”Pure”と”UNR”の設定の他に、ADAMの最も名前の知られたモニターであるS3Aのサウンドをエミュレートしたプリセットが搭載されています。従って、S3Hでユーザー設定プリセットとして使用可能なメモリスロットは2つになります。

DSPの提供する他の機能としては、リミッター機能によるプロテクション、AES3デジタル入力、そして将来の拡張オプション用コネクタなどがあります。備え付けのUSBポートも搭載されており、ソフトウェアのアップデートや、ソフトウェアによるプリセットの設定など、DSP機能の制御をPC上のソフトウェアから行うことが可能です。これにより、調整の度にスピーカー背面に回り込む必要が無いため、スピーカーが壁面マウントされているような環境でも、難なくスピーカーの設定を調整することが可能です。
SMA™ シンメトリック磁気回路
ADAM AudioがSMA™(Symmetrical Magnet Assembly)と命名した新開発の磁気回路では、ボイスコイルの可動範囲が従来の設計に比べ約三倍の範囲にまで拡張されています。
これにより、ドライバーコーンが大きく振幅した場合でもリニアに動作することが可能になり、結果、より多くの空気を動かし、より高い最大出力で再生を行うことができます。極めて大きな振幅が発生したとしても、低域ドライバーは歪みなく正確な低音を再現することが可能です。ビルトインされた巧みなクーリングシステムにより、カスタム設計の大型ボイスコイルの過熱を防ぎ、パワーコンプレッションの影響を聴取不可能なレベルに抑えます。ボイスコイルが過剰な熱を持つと、コイル電気抵抗の変動やダンパー性能・ダイナミックレンジの低下が生じ、動作に関わる要素に悪影響がおよぶことで、もはや低域の音を完全に再現することは困難になってしまいます。ADAMの新しい設計では、これらの不要な影響が回避されています。

慎重に設計された磁気回路は、不要な空気の乱れやコンプレッションの発生を防ぐ構造になっており、音源再生時の歪みを最小限に抑えます。また、材料には熱の放散に有利な素材が使用されています。

SMA™には、ADAMがSシリーズ向けに特別に開発した革新的な機能が他にも盛り込まれています:

新しい低域ドライバーには高さのあるポールピースが採用されており、マグネットのサイズよりも背丈が高くなるよう設計されています。これにより磁場のリーチが広がり、磁力の発生がシンメトリカルな状態に保たれます。結果、ドライバーのパフォーマンスはリニアになり、出力の歪みを最小限に抑えることができます。また、競合する他の低域ドライバーと比べて、磁気回路の可動範囲が大きくなるよう設計されており、低域再生時のボイスコイル運動に余裕を持たせることで過大な出力によるドライバーの破損を防ぎます。さらに、ポールピースには通気口が設けられ、熱の放散を助けるとともに内部の圧力を適正な状態に保ちます。乱気流やエアノイズを低減するため、通気口は空気力学的に最適な丸みを帯びた形状になっています。

S2V、S3H、S3Vのポールピースは放物線を描くような形状をしており、ドライバーの磁場に不要な変調が発生することを防ぐことで、非線形2次歪みを大幅に低減します。また、スタビライザー・リングが磁場の対称性保持に貢献し、非線形3次歪みを最小限に抑えます。

Sシリーズの最も大きなモデルであるS5HとS5Vの低域ドライバーには、反対極性を持つ磁石がポールピースの上部に設けられており、磁力線をさらに整えることで磁場の対称性が確保される構造になっています。これにより、ボイスコイルの動きがリニアに保たれ、大きな再生レベルであっても歪みを最小限に抑えることが可能です。
Sシリーズ パワーアンプ
Sシリーズの低域と中域のドライバーは、歪みとは無縁のClass-D ICEパワーアンプによって駆動されます。
このアンプは90%以上の効率で働き、従来のAB級アンプに比べて著しく少ないエネルギーによる駆動が可能なうえ、耐久性にも優れているので長い動作寿命を提供します。一方で、AB級アンプにも超高域の信号が増幅可能な点や、使い方によって優れた音色のサウンドを得られる点など、独自の利点があります。このため、ADAMはS2V、S3H、S3Vのツイーター用には最大で300kHzまでフラットな特性を誇る50Wの低ノイズAB級パワーアンプを特別に開発しました。S5HとS5Vのツイーター用には、非常に強力な最新世代のClass-D ICE-Powerアンプが搭載されています。

Sシリーズの再生する非常に正確で余裕のある高域は、適切なアンプ技術とADAMの高性能なリボンツイーター技術の慎重な組み合わせによって実現されています。物理的な設計面にも大きな注意が払われています。Sシリーズの最も小さな機種であるS2Vを除き、パワーアンプはスピーカーハウジング内の独立したアンプチャンバーに格納され、エンクロージャーの密閉性が確保されています。
Sシリーズ バスレフ・システム
Sシリーズのバスレフ・チューブは、空気の摩擦と乱気流による信号のロスや音の色付けを最小限に抑えるために、特に前面のポート部分において空気力学的に最適な丸みを帯びたエッジ形状を採用しています。


共振を抑える技術がポート設計に組み込まれており、バスレフポートの共振による音の色付けも最小限に抑制されています。
Sシリーズ エンクロージャー
Sシリーズの堅牢な構造をしたエンクロージャーは、その外観形状によってインダストリアルなデザインを想起させますが、実用的な設計判断の積み重ねがその美学の根底にあります。


エンクロージャーの材料には厚くて耐震性のあるものが使用され、高出力レベルの再生時にも不要な振動や音の色付けを抑制します。また、不要な音の回折を避けるため、エンクロージャーの角は丸みを帯びた形状となっています。頑丈な仕上げにより、日々のスタジオ業務での酷使にも耐え得る、信頼性の高い作りになっています。
S-ART™ ツイーター
ADAMの提供する世界的に有名なX-ARTツイーターの最新作「S-ARTツイーター」がSシリーズのすべての機種に搭載されています。


これまでと同様に、S-ARTツイーターの製造はすべてベルリンの本社工場にてハンドメイドで行われています。この新しいツイーターの製造プロセスには、以前にも増して厳密な検査を伴う、より高度な精度基準が導入されています。ADAMのツイーターが持つ伝説的なほどに正確なトランジェントレスポンス、歪みのまったくないサウンド、そして緻密な高域を自然なダイナミクスで再現する能力は、すべてのプロフェッショナルが所有すべき、欠かすことのできないオーディオ機器のメーカーとしてADAM Audioが勝ち得た、世界的な評価の礎となっています。

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  • ドイツ・ハンドメードの精密なS-ARTツイーター+ HPS/MPSウェーブガイド
  • 4.5インチ ドーム/コーン型ハイブリッド・ミッドレンジ(カーボン)
  • 12インチ ウーファー(ヘキサコーン)
  • アンプ出力 RMS:1800W
  • 周波数特性:26Hz – 50kHz
  • 最大SPL@1m(ペア):≧128dB
  • AES3デジタル入力および様々な拡張オプション